第46話

「一周目…クラトスが父さんだって事を知って、二周目では、母さんの事とか訊きたいって思ったんだ」


ロイドはその場で話してくれた。


「だけど、なかなか話はできないし」


…それは、そうさせないよう妨害されていたからだな。


「…話ができると思ったら訊きたい事と違う事を話ちまうし……」

「…」


ふぅとロイドは息をつく。私は黙っていた。


「だから、この――“フラノールイベント”しかないと思ったんだ」


剣術指南イベント

数少ないスキットポイント

クラトスの秘密イベント


あれはすべて、今のために…?


そうか…。


ずっと“隠していた事”という事が少し残念ではあったけれど、ロイドが私と話をしたいために選んでくれていた選択肢。


「ロイド、ありがとう」


「…へへっ。

クラトスに言われると変な気分だな」


降っている雪は冷たい。

けれど、私の顔は熱かった。嬉しさの方が強いのだ。


「……。

展望台に行く。

そこで話してやろう。…アンナの事を――」






おしまい。

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