第44話

ジーニアスがそんな事になっているなど気づかず、ゼロスとコレットは宿の廊下を歩いていた。


ロイドのいる部屋は、階段のすぐ横にある。



「コレットちゃん、すげぇよなぁ~。

また1位かぁ」

「えへへ♪

じゃあ、先に誘ってみるねっ」


コレットが一歩踏み出した。その時だ。


ガチャリ!


ロイドの部屋のドアが開いた。そこから出てきたのは、


「あ、あれ?ロイド」

「どうしたのよ、ロイドくん?」

「コレット、ゼロス…。

え、と…俺ちょっと外に行ってくるから」


(え?

え、なんで?)


誰かが誘いに来たのだろうか?いや、自分達以外はアルテスタの家に行ってしまったから、それは無い。


(じゃあ、なぜ?)


ロイドは走って階段を下りて行ってしまった。


予想外の事態に、コレットとゼロスはしばらく茫然としていたが、


「探しにいこう…?」というコレットの言葉に、


「…ああ」とゼロスは答え、二人は宿屋から出た。

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