第42話

*フラノール*



「よ~し!結果発表すんぜぇ~♪」


フラノールの宿屋・オリーブビレッジの二階の一室にて。

隣の部屋にまで響きそうなくらい大きな声でゼロスは言った。


この日は、最大のイベントとも言える“フラノールデート”の日。


好感度3位までの人物が、ロイドにデートを申し込む権利がある。


「そんじゃあ、第3位!

ジャガジャガジャガ…」


「そんなのいいよ」


ノリノリでゼロスが進行役をしていると、ピシャリという声――ジーニアスだった。


「何だよ~。せっかくノってるのによ~」

「やるならさっさと進めてよね!

誘いに行く時間が来ちゃうじゃないか!」

「ダイジョーブダイジョーブ♪おまえが行くことはねーから」


「…アイスニードル」


ブスブスっとゼロスの頭に数本の小さな氷柱が降って刺さった。もちろんゼロスは跳ね飛んで、


「ぎゃあ~!

何すんだっ!」

「早く、次」

「へいへい。

わあーたよ」


頭をカリカリと掻いて、ゼロスは気を取り直した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る