第29話
(え!?)
(なんで?)
(どうして、ロイドに記憶が無いのだっ!?)
三人は一斉にロイドに注目したが、(コレットとジーニアスも気づいてなかったのか!)やはりロイドは“わからない”といった顔。
私たちには一周目の記憶があるというのに。
「ね、ねぇ。ロイド?」
ジーニアスは確かめるために称号『七五三』の衣裳を取り出し、
「コレ、どこでもらったか憶えてる?」
「…?」
ロイドは首を傾げた。
「じゃあ、ロイド。お風呂のぞいたことは?
憶えてる?」
コレットが恥ずかしそうに訊くと、ロイドの顔は赤く染まり
「…そっ!」
「そんな事するわけないだろう!」
ロイドが否定する前に、自分が代わりに声を荒げ、否定していた。
「アンタ、なんだよ?」
「そんな事するわけがない。
なぜならロイドは…。
ロイドは…私の…」
「だめっ!」
ばちん!
「おじさんは黙っててよ!」
ばちぃん!
“息子だから”と暴露しかけた時、コレットとジーニアスに口を塞がれ、それは失敗に終わった。
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