第20話

アワーグラスを使ったのは、リフィルだった。


「こっから先は、ロイド君に聞かれたくないからなぁ」


どうやら、ゼロスが合図を出したらしい。


「しっかし、ロイド君に抱きついたくらいで怒るなんて…もしかして、ホントは羨ましいんじゃないの~?」


「な!?」


だが、否定することができなかった。


私だって、もう触れることもないと思ったロイドに触れたい!


ずっと昔にやった、肩車をやりたい!


「へっ、アンタも…こっち側にくるんだな?」


心を読んだように、ゼロスは薄く笑みを浮かべた。


「…」


「いいぜ。途中参加大歓迎だ」


「…だが」


ゼロスはクラトスに冷ややかな視線を送る。彼だけではない。コレット、ジーニアス、リフィル、しいな、プレセア、リーガルも。


「アンタがしたい事、阻止してやるぜ」



それは宣戦布告。

ロイドを守るにしても、狙うにしても私は一人なのか…。


だが、かまわん。


「受けて立とう!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る