第13話

そんなやりとりを呆れたように見ているリフィルと、くぅ…!と恨めしそうな顔で見ているクラトス。


ロイドが近くにいては神子に攻撃できない…。

何か…対策はないか?


ちらりとリフィルに目をやる。…そうだ。


「リフィルよ。

この先の戦い、回復はまかせた」

「…構わないけれど、どうしてあなたが―…」


クラトスの指示に訝しんだリフィルだったが、彼の有無を言わせない顔に「わかったわ」と、うなづいた。


そしてその時はすぐに訪れた。


ロイドが攻撃を受け深手を負った。私たちも受けたが軽い方だ。


リフィルが“リザレクション”の詠唱を始める。


しかし、高位魔術は詠唱に時間がかかる。その前にロイドが死んでしまうかもしれない!と、


「ファーストエイド!」


待ちきれなかったクラトスは、味方一人にかけられる初級回復術をロイドにかけた。


おかげで危機は回避されたが、


「…ちょっと、いいかしら?」


戦闘終了後。怒りに満ちたリフィルはクラトスに詰め寄り。


「さっきのはどういうことかしら?」


鋭い目つきをさらに鋭くした目で睨まれ、

クラトスはただ一言「す、すまん」としか言えなかった。

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