第5話

*至福の時*



夜営になるときはいつも私が『夜の番』をしている。


…神子たちには言っていないが、私はそんなに眠る必要が無いのだ。


だから、神子たちはモンスターの奇襲を心配すること無く眠れている。


だから落ち着いて、『ロイドの』寝顔がゆっくり見れるのだ。


――だがそれは、長くは続かなかった。


「ロイドー♪」と元気そうにロイドに駆け寄る神子を見つける。


そう。

そんな時間が無くなったのは、神子が『天使化第二段階』になった直後。


「昨日のロイドの寝相、おもしろかったよ~~。

“ノイシュやめろよー”って、手をこーやってぇ…」


楽しそうに昨日のロイドの真似をしながら話すコレット。


「ほ、ホントかよ?」と照れくさそうに、頭の裏を掻くロイド。


そうだ。

その日から、私はロイドの様子を見ていることが出来なくなったのだ。


だから、


「神子よ。眠れないのなら、星の数を数えるといい」


今日もロイドの寝顔を見ている神子に、そう言ってやった。

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