06~10
第39話
06.不思議
☆
「これは“霊樹”じゃな」
俺たちの学校『聖ルミナス学園・光風館』の横にあった、花を咲かせたことがなかった樹。
それが、こっちの世界にくる前に満開の桜の花を咲かせていたのだ。季節外れの。
その樹を“霊樹”と呼んだのは、ホウメイ。
“霊樹”は闇の者を退ける力があるという。
その話は不思議ではあったが、もっと不思議なのは…。
キリヤは霊樹に咲いた桜から視線をずらして、それに触れているホウメイを見た。
「ん?
なんじゃ?」
約三千年も生きているというわりには、外見は俺よりも幼いホウメイじゃないかなぁ?
「いや、別に…」
なんて、本人に言うと怒るだろうけど。
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