第37話

04.好きなもの



アタシたちは、人間を主とする聖フィリアス王国から、獣人を中心とした通商連合国家セイランに移ることとなったの。


聖フィリアス王国を取り戻すためだもの!


セイランの王の勧めを受けたわ。


だけどねー。


アタシ、一つ気になってることがあるのよねぇ…。


「セイランのヒトたちって、お肉しか食べないのかしら?」


猫に牛に狐に狼に鳥…みんな人間みたいに二足歩行。

でも獣じゃない?


主食はやっぱり…。


「まぁ、俺は肉が好きだけどな。

だが安心しな。ちゃんと魚も野菜もあるぜ」


彼女の心配をガハハと笑い飛ばしながら言うのは狼獣人のロウエン。


「なんだ!よかったぁ」


手を叩いて喜んでいると、話を聞いていたのか、


「俺は魚のほうが好きだしな」


硬質な碧いウロコを持つ竜人族のヒョウウンが間に入ってくる。


「…拙者はごはん派だ」


カラスのような鳥人のジンクロウも。


「へぇ、それは意外ね」


なんか、本当ヒトっぽいわね。

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