第21話
09.夜空を見上げて
☆
「あした…か」
「…どうしたの、エルウィン?」
『うたう勇者亭』の二階にボク達は居候している。
窓から夜空を見ている彼女に気づき、シオンは毛布から抜け出した。
「なんか、寝付けなくて」
「ボクだって…」
ボクだって、そうさ。
明日、ボク達はシルディアの地下に行く。目覚めてしまった獣神を倒しに。
生きて帰れるかはわからない。不安なんだ。
シオンは左の人差し指にはまっている『双竜の指輪』を見つめる。
「でも、エルウィンと一緒なら、きっと大丈夫だ」
自分の手が震えている。
確証のない言葉。
気休めなのはエルウィンも気づいているだろう。
だけど。
「シオンがそういうなら、大丈夫かもね」
エルウィンは握っていた掌を開く。そこには『双竜の指輪』があった。
ボクのとエルウィンのはペアリングなんだ。
それを互いにつけると、力が湧いてくるんだ。
不安だ。
だけど彼女と一緒だから、
怖くない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます