第19話

07.守護者



…ああ、神殿が…。


リュウナとシオンは双竜の指輪をはめて、エトワール神殿へと続く長い階段を駆け上っていた。

行く手を阻む、黒装束の軍勢。それを二人で倒しながら。


そんな中で、リュウナは終着点の神殿を見た。


神竜様は無事でしょうか?


「おい、リュウナ」

「どうされましたか、シオン」


前方を走るシオンは突然足を止めて振り返る。間を置いてリュウナも止まった。


普段の彼はもっと気弱な印象の人。けれど私が指輪をはめると、今のような乱暴な人になる。

……私は、こちらの方は苦手です。


「…うまくよけながら、回復魔法をかけろ。

どうやらこれから先は、戦いで手いっぱいになりそうだからな」


「ええ、わかりました」


返事を聞くと、シオンは再び走りだした。その後をリュウナが走る。


…シオン、今のあなたは苦手です。


けれど、


あなたは神竜様もシルディアも私も。


きっと守ってくれる。


そう思うのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る