第14話

02.時空



むかし、むかし。

二匹の竜の間に宝石が埋め込まれた指輪があった。


『双竜の指輪』


そうよばれた魔力の込められた指輪。


その指輪は二つあり、それをつけた二人は強大な力を得るという。


★★★


二人の騎士がいた。

二人は、その指輪をつけて立ちはだかる敵を撃ち破り、『双竜の騎士』と呼ばれるようになった。


だが、ある時――。


片方の騎士は、二つとも自分の物にしたい。ともう一人の騎士を殺し、指輪を手に入れた。


右手の指に自分の。

左には奪ったもの。


二つの指輪をはめた時、肉体は強大な魔力に耐え切れず灰になって朽ちたという。


★★★


「…って言われてた指輪が『ここ』にあるの」


エルフの少女が少年の指と手のひらを差して言った。


ボクに過去の記憶が無いから、そんな話は知らないけれど…。


お伽話ではない。


本当の話なんだ。


それが時空(とき)を越えて、今、ここにある――。

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