ティアーズDE『神秘的10題以下A』
01~05
第13話
01.鏡の中
☆
ボクが居候している『うたう勇者亭』の一階と二階の間にある二枚の鏡は、普通の姿を映す鏡じゃないらしいんだ。
ボクはその内の一枚の鏡に掛かっている布を外した。
(なんだ、普通じゃないか)
鏡は少年の姿を、ありのまま映していた。
拍子抜けして、ふぅとため息をついて、鏡に片手を置いて寄りかかる。
……と。
鏡が、水溜まりに小石が落ちたときみたいに歪んだ。
それに吸い込まれるように、ボクは鏡の中に入ってしまった。
…ピオスさんが言ってたっけ。
一瞬焦ったものの、意外と冷静に考えていた。
この鏡は、今いる世界に似ているところに繋がっているんだって。
どんなところだろう。
不安もあったけれど、興味のほうが強かった。
今までボクが戦ってきた記憶があるという、鏡の中の世界に―――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます