第10話

09「明らかに虎だろ」



どすりと重い音を辺りに響かせる。

それは戦闘終了を意味する。


杖を立て、それを支えにするリフィルは額から流れた一筋の汗を拭いながら、


「今の敵は…なんという名前かしら?」


そうつぶやくと、


「先生!

私、“わんたろう”がいいと思います!」

耳のいいコレットは、右手を力一杯挙げて元気良く答えた。


彼女の天然な回答に、呆れたように。


「種族を…訊いたのだけれど…?」


そんな二人のやりとりを聞いていた、ロイドとジーニアス。


「…明らかに虎だろ」


「うん。虎に付ける名前じゃないよね」


小さくツッコミを入れていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る