第11話

10「封印してた過去を」



アイツなら、受けとめてくれるかもしんねぇな。


宿の二階、窓から見える白銀の世界。

その景色を見るたびに、あの時のことを思い出す。


ずっと、背を向けたままではいられない。

話さないと。

ロイドに。


窓に背を向けて、彼は部屋を出た。

そこから、右隣の部屋のドアをたたく。


封印してた過去を、打ち明けるというのは怖い。


決意したばかりでも。


「誰だ?」


扉の奥から返事が聞こえて、一瞬気持ちが後ろに行った。


ダメだ。

こんなんじゃダメだ。


意を決して、ドアノブを回す。


過去に縛られた自分から抜け出すために。

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