第82話

「ちょっ、ちょっと!

まさか脅すつもり?」


そんな風にしか聞こえない。


万亀はそれにもにっこり笑った。


「脅さなくっても付き合ってくれる?」


朗らかな口調とは裏腹に、そんな邪悪な事を言ってくる。


「なっ、なっ……!」


言葉にならない声を上げる中、万亀はにっこりとした悪魔の微笑みで返した。


「猪熊の事、嘘だって黙っててあげるから、付き合ってよ。

そうだなぁ、まずは三ヶ月。

もちろん学校の皆にはバレない様にうまく付き合う予定だから」


「待ってよ、何言ってんの?

っていうかうまく付き合う予定・・って!

そんな不確実な約束、信用できる訳ないでしょ!

っていうかそんな風に人を脅してまで付き合いたい訳?」


言うと、


「うん」


とあっさり、爽やかイケメンスマイルで一言返してくる。


待って……頭がおかしくなりそう!


パニックになりかけた私にちゃんと向き合って、万亀はその爽やかイケメンスマイルのまま言う。


「大丈夫。

その三ヶ月の間に絶対瑠衣さんを振り向かせて見せるから」


やけに自信たっぷりに言ってくる。

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