第72話
◆◆◆◆◆
私は── ず〜んと一人で沈みながら、一人トボトボと教室に戻る。
……これで、一昨日からの万亀パニック(そう命名してしまう事にする!)からは、きっと近いうちに抜け出せる事になると思う。
万亀はもう私に絡んできたりしなくなるだろうし、山野葵が言ってた冬馬の話も、きっともう一瞬でどっかに消し飛んでるはず。
だけどその代わりに……。
……猪熊さんに、思いっきり迷惑をかけてしまうかも……。
ず〜んと沈みながら、そう思う。
『実はさっきのは嘘で〜す』とか言ってもきっと、聞いてくれないんだろうなぁ……。
っていうか、万亀の執事さんとの仲を『全力で応援する』とか、一体どんな応援をしようと思ってんのよ……。
今日もし猪熊さんがまたリムジンで万亀を迎えにくる事があったら、何かおかしな事が起こる前にちゃんと理由を話して謝っておく方がいいかもしれない。
はぁぁぁ……。
もう朝から憂鬱が止まらないんですけど。
げっそりしながら額に手を当てつつ教室の戸を開ける──と。
ついさっきまでガヤガヤと何かの話で盛り上がってたらしい教室内が、いきなりし〜〜んと静まり返る。
それも。
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