第70話
私を好きだとか彼女にしたいとか、そんな話はきっとすぐに立ち消えるだろうから後はゆっくりと他の女子たちで万亀の争奪戦をするだけだ……って、そーゆー魂胆ってな訳ね。
まぁある意味分かりやすくていいけど。
でもそれに乗れはしないわね。
っていうか山野葵やその他の万亀狙いの女子達はそれでいいとして、私や冬馬の自由意志はどうなるのかって話よ。
っていうか『尾瀬|辺りがお似合い』って、あんたら私と冬馬をすんごい下に見てるわね。
私は軽く頭を押さえて、内心で息をつく。
もうそろそろ予鈴も鳴る。
答えは先送りにしてもいいかもしれないけど、そうした所で返答は初めっから決まってるんだから結局一緒よね。
私は──周りに集まった女子達の期待を裏切る形で口を開く。
「……悪いんだけど、それはないかな〜。
申し訳ないけど、冬馬とも、もちろん万亀とも付き合うつもりないから」
言うと、「えっ?」と山野葵が驚いた様な中にも怪訝そうな面持ちで返してくる。
「じゃあ他に誰か好きな人がいるとか?」
責める気持ち半分、怒り半分に山野葵が問いかけてくる。
だ〜か〜ら〜!
そーゆう事じゃないんだってば!
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