第67話
◆◆◆◆◆
体育館に辿り着かされると、そこでは山野葵が言う様に、バスケの練習に勤しむバスケ部員達の姿があった。
皆一生懸命ボールを追いかけ、奪い取り、味方同士でパスを繋いでゴールを狙う。
今はどーやら簡単な紅白戦をしているらしい。
まぁ、バスケを見ることに関しては別に苦痛でもないし、紅白戦とはいえ試合を見るのは割に楽しくもあるけど。
でもねぇ、だからといって『なーんで私がここへ連れてこられたのか』の説明には全くなってないわよね。
そろそろ教室に向かいたくっても、幾人かの女子達が私の左右後ろまでをも囲んでがっちり包囲してるから逃げようもないし。
と──半ば困りつつ、左横の山野葵へ目を向けようとした、その時。
山野葵本人から「ねぇ、」と声をかけられた。
「尾瀬冬馬ってさ、何気にイケてるって思わない?
有馬さん」
山野葵がそう口にした、丁度その時。
「ピピー!」
と一つ、ホイッスルが鳴る。
丁度冬馬がゴール下からシュートを決めたところだった。
冬馬が小さく拳を握ってガッツポーズをしながら、コート内を戻っていく。
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