第43話

◆◆◆◆◆


その日一日……休み時間の度に私の隣の席には人だかりが出来続けた。


そりゃもう、各教科の先生が毎回「席に着けー!」って二回も三回も言わなきゃいけないほどに。


徐々に徐々に、教室の外側にも他のクラスの人達が人だかりを作って、昼食時には万亀と一緒にお昼を取ろうとする女子たちや、興味本位の男子たちまで集まってきて、恐ろしくゴミゴミした。


いや、分かるわよ、そりゃ。


すごい大企業の大金持ちの御曹司だしこのルックスだし、人当たりもいいしさ。


もしかしたら冬馬みたいにそれが気に入らないって男子もいるだろうけど、ほとんどの人は興味を惹かれるでしょうよ。


あの万亀グループの御曹司がこんな平凡な学校に来たのは何で?


金持ちって、どんな生活してんの?


毎日社交パーティーとか開いてんの?


俺も誘ってくれよ。


ねぇねぇ、万亀くん家って執事の人がいるんでしょ?


校長室からそれらしい人が出てきたのを見たって子がいるんだって。


お家に執事さんって何人くらいいるの?


すごいね〜!


ほんと素敵!


と、まぁここまではいいとして。

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