第41話

「そうなのか……」


と、こちらは他の男子。


そこ、突っ込まなくてもいいから!


そう、思いはするものの……。


これでどーにか収まった……のかな?


この絶妙に静まり収まったこの場をぶち壊す様に……少しの間を置いて、隣の万亀がいかにも心得た様な顔で、「──分かった」とちゃんと返事してくれる。


私は一瞬それにホッとしたんだけど。


「それじゃあ俺、瑠衣さんが振り向いてくれる様にこれから精一杯がんばるね」


爽やか〜に微笑んで、やけにうきうきした様子で、そう言ってくる。


私はそれに──穴が開くほど万亀を見た。


いや……恋愛に興味ないって言ってるじゃないのよ。


ハッキリキッパリ、振ったも同然なのに、どうしてそれで『がんばるね』って話になるのよ?


前向きすぎるのにも程があるわよ。


脳内で全ツッコミする私をよそに、おそらく何にも考えてない男子の一部が、


「おっ、万亀、よく言った!」


「諦めずに頑張れよ〜!」


何気に万亀に声援を送る。


「トーマも筋肉ムキムキマッチョ頑張れよ!」

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