第35話
◆◆◆◆◆
休み時間になると、万亀の机の周りにはちょっとした人だかりが出来ていた。
噂を聞きつけたのか、廊下の方にも万亀を見にきたらしい別なクラスの人達が寄り集まってる。
「ねぇねぇ、万亀くんってさ、万亀グループの社長の息子でしょ?
家とかやっぱり豪邸だよね。
プールとかあるの?」
「なんでうちの学校に編入したんだ?
他にもっといい学校ある事ね?」
「市民の生活を見て社会勉強的な事か?」
「っていうかそれよりさ〜、万亀くん彼女いるの?」
「さっきも有馬さんの横の席ご指名だったけど、なになに?
二人は知り合いなの?」
「まさか彼女じゃないよねぇ?」
そう言ったクラスメートの女子の顔と声音が、半分冗談めかしてはいるけど目だけがマジだ。
もしそうなら黙ってはいられないって、目がそう語っている。
そしてその目は、その子だけがしてるって訳じゃなかった。
ここに集まってる女子の何割かは興味津々で、そして残りの何割かが……そういう怖〜い目でこっちに探りを入れている。
私は あっ、はは、とわざとらしく笑って見せた。
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