第24話

「あ・の・ねぇ。

あんた初対面なのにちょっと失礼じゃない?

編入生か、これからよろしくな、の一言くらい普通にかけてあげられない訳?」


言う……と、何故か横のナキリまでちょっと面食らった様に私を見てるのが分かる。


「……何よ?」


冬馬に向けた目をそのままナキリへやって言う……と、ナキリが「いや、」とちょっとだけ笑う。


そうして心から漏れ出た様な声で、ごくごく自然にナチュラルに、こんな事を言った。


「やっぱり俺、瑠衣さんの事好きだなぁ、と思って」


言ってくる。


それに──私はぱちぱちと、思わず瞬きをする。


「……え?」


冬馬も驚いたみたいにナキリの事を見、バスケットボールをぼろんと床に落とした。


「おいトーマ!遅ぇぞ!!

いつまでボール待たす気だよ!!」


向こう側から先輩らしき人が冬馬に怒鳴る。


と、ナキリが冬馬の落としたボールを拾って、冬馬へパスを出す。


そのパスは──思いの他、シュッとスマートなパスで──バスケの事にはさほど詳しくない私にも、完全な素人のパスじゃないって事だけは分かった。

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