第23話

「っつーかこれ誰?

こんなやつうちの学校にいたっけ?」


こいつ、でもなく『これ』呼ばわりでナキリの事を問いかけてくる。


まぁいいけど。


思いつつ、私は簡単に説明する。


「編入生のナキリ コウよ。

今日が初登校なんだって。

ナキリ、こっちは私の幼馴染みの尾瀬 冬馬。

見ての通り、バスケ部所属の失礼なやつよ」


言ってやると、「失礼は余計だろ!」と冬馬が一瞬で返してくる。


だってほんとの事じゃない、と思うけど、面倒臭くなるからその辺は敢えて黙っておく。


と──冬馬が口をへの字に曲げてナキリへ目を戻す。


「つーかナキリ コウってお前、雑誌で見たことあるぞ。

ナキリグループの御曹司だろ。

んな金持ちがこ〜んなショボ学校に編入っておかしくねぇか?

なんか前の学校でやらかしたんだろ。

でなきゃ……」


胡乱な様子で言いかける、その顔に──


ゴンッ


と私は拳を一つくれてやる。


といってもそんなに強くはしてないわよ?


念の為。


冬馬が面食らった様に私を見る。

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