第23話
「っつーかこれ誰?
こんなやつうちの学校にいたっけ?」
こいつ、でもなく『これ』呼ばわりでナキリの事を問いかけてくる。
まぁいいけど。
思いつつ、私は簡単に説明する。
「編入生のナキリ コウよ。
今日が初登校なんだって。
ナキリ、こっちは私の幼馴染みの尾瀬 冬馬。
見ての通り、バスケ部所属の失礼なやつよ」
言ってやると、「失礼は余計だろ!」と冬馬が一瞬で返してくる。
だってほんとの事じゃない、と思うけど、面倒臭くなるからその辺は敢えて黙っておく。
と──冬馬が口をへの字に曲げてナキリへ目を戻す。
「つーかナキリ コウってお前、雑誌で見たことあるぞ。
ナキリグループの御曹司だろ。
んな金持ちがこ〜んなショボ学校に編入っておかしくねぇか?
なんか前の学校でやらかしたんだろ。
でなきゃ……」
胡乱な様子で言いかける、その顔に──
ゴンッ
と私は拳を一つくれてやる。
といってもそんなに強くはしてないわよ?
念の為。
冬馬が面食らった様に私を見る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます