第13話

ナキリもにこにこ応じてくれたし執事さんもなんとも言わないけど、内心一体どう思われてることやら……。


我が父ながらはずかしい……。


ひらひらっと楽しげに手を振って見送る父を背に、私は執事さん、ナキリの後に続いてリムジンを降りる。


降りる時にもナキリは私には手を差し伸べてきたんで……私はちょっと迷ったけど、仕方なくその手を借りる事にした。


こーやって親切に出された手を無視するっていうのも、なんだかね。


そうして手を借り、車を降りた──ところで。


私の目の前で、さらに驚くべき事が起こっていた。


校長や教頭、それに学年主任の先生とうちの担任までもが勢揃いして、ナキリの車を出迎えている。


普通の学生が登校するより一時間も早い、この時間によ?


いや、まぁ確かに部活とかやってる子はこれくらいの時間に登校する事はあるだろうけど。


ナキリの場合は絶対違うでしょ。


そう勝手に決めつけて唖然とする私を差し置いて……。


校長が「おはようございます」とナキリに挨拶する。


と、それに続いて──

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