第12話
◆◆◆◆◆
私の当初の予想通り、私たちが乗ったリムジンはいつもより一時間も早く学校に辿り着いた。
たぶん、だけど。
この『いつもより早い一時間』は、うちのお父さんが出社する時間に合わせたような感じがする。
もし学校にいい感じに着く様にうちを出発してたら、絶対にお父さんは会社に遅刻してるし。
それならお父さんを先に会社で降ろして、その後私を学校まで送ってくれれば丁度いい時間に学校に着いてたんじゃ?とも思ったけど、私にしてもお父さんにしてもナキリは『知らない人』だしね。
道中の事をお父さん・お母さんが心配しちゃうといけないからっていう配慮なのかもしれない。
まぁ、うちの両親に限ってはそんな心配全くこれっぽっちもしてないと思うけど。
その証拠に、
「それじゃ瑠衣、お父さんこのまま人生初・リムジン出社してくるから♪
学校楽しんでおいで」
るるんっとうれしそうにお父さんが言う。
まったくもう……。
もういいおじさんなんだから、ちょっとくらいオトナの風格ってものを身につけなさいよ。
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