第92話
◆◆◆◆◆
市街地にあるカフェは見てみりゃ中々にお洒落な外観だった。
赤い屋根に、小さな煙突。
レンガ造りの壁に、曇り一つない窓ガラス。
入り口扉も洒落た木彫りの飾り扉で、開けると リリンといい音のするベルまで上部についている。
扉を開けると小さな待合室みてぇな間があって、その奥にすぐまたお洒落な扉がついてる。
まぁ犬カバはこの待合室で待っててもらえばいいだろ。
軽く考えた俺と、犬カバも同じことを思ったらしい。
そこについたとたんにトコトコと1人で隅に行き、そのままそこで座って小さく丸まった。
ラビーンが2枚目の扉を開け、カフェの中へ入るのに、クアン、ダル、そしてこの俺が後に続いた。
「おい、店主を呼んでくれ。
例の依頼を請けてくれるギルドの冒険者を連れてきたって言ってな」
ラビーンが中のカウンターに肘をつきながら若い男の店員に言う。
店員はラビーンとクアンに一瞬ビビりつつも、その後ろに突っ立ってた俺に気づいて ほや~っとした目をこっちに向けた。
ま、そのあとすぐにラビーンとクアンの奴に睨まれて慌てて店の奥に引っ込んでったが。
そいつを一通り睨みやってからラビーンがフンッと一つ鼻を鳴らす。
ところで。
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