第90話

俺が思うとほぼ同時に。


「よしよし!そうこなくっちゃな!」


クアンが うきうきと口にする。


げっ、よりにもよってクアンの奴と思ってる事が被っちまった。


なんて俺の心境には一切気づかずに、こっちも うきうきと口を開いたのはラビーンだ。


「よ~し、そうと決まりゃあ早速カフェに行ってみねぇか?

善は急げって言うだろ?

もちろん俺らもついてくぜ」


言う。


俺は……ちらっと頭の片隅で、つい今しがた廊下の隅に隠れ潜んだ犬カバの事を思った。


まぁ数時間の事だ、この家に一匹で置いて出たって別に問題はねぇんだろーが。


と、考えて──俺はふと、いい案を思い付く。


ウキウキ顔のクアンとラビーン、そしてダルを見回して、にっこり笑う。


「その前に、少~し待ってもらえる?」

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