第89話
それから、
「そういうことらしいが、どうする?リア」
ドアの向こう……つまりはこの俺に向けて、ダルが問いかけてくる。
俺は思わずギクッとして固まった。
中から『えっ、リアちゃん?』と妙にどぎまぎした様なクアンとラビーンの声がする。
俺は……仕方なく犬カバをホイッと隅に放って、そいつが上手く隠れるのを確認してから、気まずい顔でダルの部屋の戸をゆっくり開いた。
開くと同時に、ダル、ラビーン、クアンの3人がこっちを見つめる目に出合う。
「──ごめんなさい。
ダルちゃんにお話だなんて、気になっちゃって……」
手を合わせて女の子らしさ全開で言うと、ラビーンとクアンが ああ、いや…… とそれぞれしどろもどろに返してきた。
俺はここで でもでも、と声を上げる。
「依頼のお話、私もすごくいいって思ったのよ。
二人が私達の為にせっかく持ってきてくれた依頼ですもの、ね、ダルちゃん、請けてみましょうよ。
もちろん私も協力するわ」
分け前は折半ってな意味も含めてダルに言うと、ダルも 分かった、と大人しく頷く。
よしよし!
そうこなくっちゃな!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます