第89話

それから、


「そういうことらしいが、どうする?リア」


ドアの向こう……つまりはこの俺に向けて、ダルが問いかけてくる。


俺は思わずギクッとして固まった。


中から『えっ、リアちゃん?』と妙にどぎまぎした様なクアンとラビーンの声がする。


俺は……仕方なく犬カバをホイッと隅に放って、そいつが上手く隠れるのを確認してから、気まずい顔でダルの部屋の戸をゆっくり開いた。


開くと同時に、ダル、ラビーン、クアンの3人がこっちを見つめる目に出合う。


「──ごめんなさい。

ダルちゃんにお話だなんて、気になっちゃって……」


手を合わせて女の子らしさ全開で言うと、ラビーンとクアンが ああ、いや…… とそれぞれしどろもどろに返してきた。


俺はここで でもでも、と声を上げる。


「依頼のお話、私もすごくいいって思ったのよ。

二人が私達の為にせっかく持ってきてくれた依頼ですもの、ね、ダルちゃん、請けてみましょうよ。

もちろん私も協力するわ」


分け前は折半ってな意味も含めてダルに言うと、ダルも 分かった、と大人しく頷く。


よしよし!


そうこなくっちゃな!

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