第83話

俺はいぶかしく思いながらも「ダルちゃんなら二階の自分のお部屋にいるけど……」と階段の方へ目をやった。


~一体全体、ダルに“男同士の話”って何なんだ?


どーも何か、嫌~な予感がするんだよな……。


俺のこーゆー勘は結構当たるしな……。


なんて考える俺の脇を抜けてラビーンとクアンが「邪魔するぜ」「ごめんね~」と続けて入って二階に上がっていく。


俺は……その姿が完全に二階に消えていくのを眺めてから──ちらっと廊下の隅を見やった。


来客が気になったんだろう、犬カバがこっそり隠れてそこにいた。


犬カバのやつも、気配で二人の姿が二階に上がったのを感じ取ったのか、 のこのこ と俺の目の前までやって来て『ブッフ』と小さく息をつき、俺を見上げる。


……どーも、考えた事は同じみてぇだった。

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