三章 投資

第81話

「リアちゃ~ん、快気祝いに来たぜ!」


と、相変わらずのノー天気さで家の戸口を叩いたのは──わざわざ開けてみるまでもねぇ、ラビーンとクアンの二人組だった。


俺はうんざりしながら目を天井へ向け、はーあと息をつきながら家の戸口に手をかける。


そうして── 一転にーっこり微笑んでドアを開けた。


「まあ、二人ともいらっしゃい。

来てくれてうれしいわ~」


にこにこしながら出迎える……と、案の定外に立っていたラビーンとクアンの二人組が、でれでれしながらこっちを見てやがる。


「いや~、リアちゃん、本当に元気そうで何よりだぜ。

それにちょっと見ねぇ間にまた一層きれいになって!」


「ほんとほんと!あっ、リアちゃん、これ俺から」


言ってクアンがまたいつもの花束を俺に差し出す。


「あぁ!?てめぇ、抜け駆けはナシって言ってんだろーが!

~リアちゃん、これは俺からな」


クアンにはギッと大きく一睨みして、俺にはへらへら~っと笑って、やっぱりいつもどーりの花束を出してくる。


俺はその二つの花束を受け取って「ありがとう、うれしいわ」とにっこりしてやった。


とろけそーな顔で、二人が いやぁ、だの どーいたしまして だの言ってくるのを笑顔のまま見つめながら──俺は、自分のここ二週間の事を思った。

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