第71話
とたん、
「うおぇ……」
激しい吐き気に襲われ……どーにかそいつを、喉の奥に押し込めるハメになった。
俺は死にそうになりながら、ダルが胸に抱えてるそいつを指差す。
「……なんっで、そいつがまだいんだよ……?」
力なく問う。
そう、ダルが抱えていたのは、俺をこんなにした張本人……ピンクのブサイクな生物、あの犬カバだった。
「せっかく捕まえたんだから…店主んトコに連れてっとけよ。
俺がこんなに…苦労して捕まえたんだぞ……。
逃げられたら、意味ねーだろ……」
へろへろな声で文句を垂れる……と。
ダルは──少し困った顔で「それが、」と口にした。
「私もそう考えて、一度 依頼主の所にこの子を連れてはいったんだ。
そうしたら───」
それからダルが言った言葉は、驚くべきものだった。
こいつを──…この、ある意味強烈に危険なこの犬カバを、俺らに預かって欲しいってんだ。
理由は聞かず、無期限で、店主が返して欲しいと言うまで。
おまけに決して人目に触れない様、外に出したりしない様 細心の注意まで払えとのお達し付きだ。
ギルドの方には新たな依頼って形で出しておくし、報酬は犬カバの食費プラス、毎月一定の手間賃も支払ってくれるらしい。
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