第57話
幸い俺の言葉を聞き咎めたよーな人間はいなかったみてぇだが、気をつけねぇとな……。
と、俺のダルへ向けた“にっこり”に、偶然ダルの向こうを通りすがった男が、ほや~っとした目で俺の顔を見とれて行くのが見えた。
おいおい、俺はてめえに微笑んだんじゃないっての。
それはともかくだ。
依頼主は確か、見世物屋っつってたな。
ここからそう遠くはねぇ。
俺はダルに 行こうと合図して先を歩き始めた。
相変わらず、街を歩いていると、ただ歩いてるだけなのに男女問わず色んな人間がこっちを見てくる。
まあ、女の子はダルを、男共は俺をって言った方が正しいか。
俺は(女の子の視線はともかく)こう人に見られてっと女装の事がバレるんじゃねぇかとかなりヒヤヒヤしちまうが、そんな心配もねぇダルの方は至って平然としたもんだ。
当然といやぁ当然だが、そいつを抜きにしてもダルのやつ、妙に視線慣れした感じがあるんだよな……。
なんて考えながら歩いていると、すぐにお目当ての見世物屋が見つかった。
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