第49話
「とにかくさっさとギルドに行こうぜ」
俺はそれだけをこそっとダルに言って、ダルに少し隠れるようにして歩く。
この調子じゃ、ギルドの中に入ったって悪目立ちしちまうかもしれねぇな……。
けど、一獲千金、飛行船を取り戻すためだ。
悪目立ちしようがなんだろーが、とりあえず俺の素敵変装がバレなくて殺されなきゃいいんだ。
どうにかやるしかねぇ。
軽く決意して、歩く。
ギルドは市街地のほぼ中心に建っていた。
飾り気のない白壁に黒看板。
そんなに大きくはねぇ。
ダルが何のためらいもなくギルドの扉を開ける……と、中から埃っぽいような乾燥した臭いがした。
ダルが中へ入るのに合わせて、俺もこそこそとそのすぐ後に続く。
──が、入った早々に。
「~リアちゃん!」
大きな声がかけられる。
俺が思わずビクッと肩をすくめると、これまた街の男たちに負けないくらい鼻の下を伸ばしたグラサンにオールバックの男が『感激』とばかり両手を合わせて俺の前に躍り出た。
つい昨日俺の家(になったばかりの場所)に来て大暴れしたあげく、『リア』にベタボレして家の中を片づけていったグラサンの一人だ。
確か、そう。
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