第47話
外に出るとすぐ、明るい日差しが俺を照らす。
雲一つない、いい天気だ。
俺は一歩をいつもの大股で歩き出そうとして、
「おっと、」
素早く足を引っ込めた。
やれやれと首を振って、今度は少し小股で歩き出す。
ここら辺は旧市街ってだけあって人通りはほぼねぇはずだけど、どこで何があるか分かんねぇしな。
ダルを伴って歩く事 数十分、ようやっと旧市街を抜けると、そこにはさっきまでとはうってかわってたくさんの人間が右へ左へ歩いていく。
俺は心の中で一つ気合いを込めて、その真っ只中へ歩を進めた。
もし万が一にも んな所で俺の正体がバレるなんて事になりゃ、命が危ねぇ。
ここは慎重に、目立たず静かにギルドへ向かおう。
と、決意して市街地を歩き始めたのは良かったが。
「な、なぁ、ダル?」
俺は背筋に嫌な汗が浮かぶのを感じながら、いつの間にか横に並んだダルに小声で話しかける。
ダルが「何だ?」と言わんばかりに俺を見たので、俺は続けた。
「何かさっきからミョーにあちこちから視線を感じんだけど。
もしかして俺たち、何か目立ってねぇか…?」
問いかける。
ダルは、どうやらあんまりぴんと来ないらしい。
不思議そうに辺りを見た。
とたん、こっちを熱に浮かされたように見ながら行き違った女の子二人組が「きゃぁっ」と黄色い声を上げて、足早に通りすがる。
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