第43話
「まったくねぇ訳じゃねぇけどよ…。
ちまちま地道にってレベルの額じゃねぇだろ。
それに……」
そんなことしてたら、俺が生きてるうちには飛行船を買い戻せなくなっちまうじゃねぇか。
そんな俺の心の声を読んだのか、ダルが言う。
「飛行船を買い戻すための金だったと言っていたが、それも簡単に諦めるというのか」
シャク、と菜っぱを噛んでいた口を、思わず止める。
俺は思わず嫌な顔でダルを見た。
ダルがそれを見てか、言う。
「──どうやらその気はないようだな」
言って、ダルが俺から目を離し「ならばやることは決まっている」と言葉を続けた。
「さっき買い物をしに出た時に聞いたが、街でカフェの“ウェイトレス”を雇いたいという店があるらしい。
随分人手に困っているらしくてな、給金は弾むという話だ。
どうせそのナリでは『リッシュ』として働くことも出来ないだろう。
『リア』としてとりあえずそこで働いてみたらどうだ?」
言ってくる。
俺は……やっぱり嫌~な顔でダルを見る。
正直 俺、汗水垂らして働くとか向いてねぇんだよな。
やるならもっとこう、一獲千金、楽してがっぽり稼げる仕事が……。
俺はふと思い立ってダルに言う。
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