第40話
◆◆◆◆◆
数分後──。
「───」
ダルがすみれ色の目を少し輝かせて、テーブルの上に並んだ料理を見る。
テーブルの上にはすでに俺が用意したこんがりトーストとサラダにスープ、そしてスクランブルエッグがそれぞれ皿に乗っている。
どれもまぁいい出来だ。
俺はフフンと鼻を鳴らす。
「どーよ、これがちゃんとした朝食ってモンだぜ」
自信たっぷりに言ってみせると、「ああ」とダルがうなづいた。
「──確かに。上手いものだな」
「お前が奇跡的に下手すぎんだよ。
つーかこの新鮮食材、どーしたんだよ?
昨日は んなモン一個もなかったろ」
作った後で言うのもなんだが、気になったんだから仕方ねぇ。
聞くとダルがテーブルの上の料理たちを興味津々に見つめながら「ああ」と返してきた。
「食べるものが何もなかったから、買い出しに行ってきたんだ。
近くに屋台の店がたくさん並んだところがあって……パンだけ買いに出たんだが、色々な店の前を通ったらあちこちでサービスしてもらった」
「へぇ」
返事しながら、俺は心の中で首を傾げた。
パンだけ買ったってのに、店の前を通っただけで野菜やら卵やらもらったのかよ?
謎に思いながらも肩をすくめ、俺は『ま、いーや』と席についた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます