第28話

「冗談は好かん。

何なら私がゴルドーとやらのところまでお前を連れて行ってもいいが?

人違いならゴルドー自身が気づくだろう。

お前を差し出して一億ハーツ頂戴するというのも悪くはない」


だらだらと、我知らず汗が出る。


んなことされたら俺の人生、おしまいだ。


それにゴルドーなら……あの抜け目のないゴルドーなら、俺がほんのちょっとでもヘマすりゃ、すぐに正体を見抜くだろう。


いや、ヘマなんかしなくたって…。


「わっ、分かった!言うよ!言う!

だからゴルドーのとこに連れてくのだけは勘弁してくれ!!」


俺はガバッとその場で膝をついて土下座して頼み込んだ。


ダルは…ふっと静かに息をついて、剣の鞘を下ろしたのだった──。

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