第25話
「わっ、ズリーよ、兄貴!
兄貴が最初に椅子を蹴りつけたんじゃないスか!」
「馬鹿を言え!俺がそんなことするか!
ちなみにお嬢さん、私はラビーン・オーガストといいます。
どうぞお気軽にラビーンと…」
「ズッリー!俺だって…!
俺ね、クアンっていうんだ、よろしくね♪
ちなみに君の名前は…?」
「……あ、と…リア……」
『リアちゃんかぁ~!』
とこれは二人の声。
目の端でダルクが冷てぇもんを見るような目でそんな二人を見つめて腕を組んで立っている。
俺は……ごくりと息を飲んで……そうして、にっこり笑うことにした。
「────。やっだぁ~、下ですごい音してたからリア怖かった~。
え?なあに?リッシュ・カルトって人探してるの?
もし賞金手に入ったら何かおごってね」
精一杯の虚勢を張って、演技する。
グラサン二人はそんな俺にすっかりメロメロな様子で『おごるおごる~!』とやっぱり二人揃って口にした。
はっ、はは。
俺がお探しのリッシュ・カルトってことには、どうやら気づいてないらしい。
ラッキー!
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