第24話

「俺達ぁ人を探してんのよ。

リッシュ・カルトってぇ小悪党だ。

ゴルドー様から借りた一億の借金踏み倒して逃げやがって、指名手配だ。

生死問わず、報償金一億ハーツ!

こいつがまたひょろくて弱そうな男でよ、簡単な仕事だってんでこの辺のやつは皆やつの首を狙って………」


俺を見て、グラサンオールバックの男が立ち止まる。


後から来たもう一人のグラサンオールバックも。


だが俺は、椅子に座ったまま、まったくこれっぽっちも動けずにいた。


恐怖に腰を抜かしていたって方が正しい。


目の端に、部屋の入り口で何か声をかけようとしているダルクの姿が映る。


助けようとしてくれてんのか?


だが、もう遅い。


グラサン男(先頭に立ってる方)が俺の真ん前で立ち止まり、しげしげと俺を見つめる。


そうして──。


「──お、お美しい……!」


そう、お美しいだろ──って……え?


俺は口を開けたままグラサン男を穴が開くほど見つめた。


グラサン男はいう。


「いや、失礼。あまりにおきれいだったもので…。

どうもすみません、こちらはあなたのお宅でしたか。

この辺りにリッシュ・カルトという悪党が潜り込んだ形跡がありましたので、来たのですが…。

いや、申し訳ない。

部下が階下で多少部屋を荒らしましたが、きちんと直させますので、どうかご容赦を」

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