第23話
ドタドタドタッと、階下で音が鳴り響く。
「オイコラァ!
リッシュ・カルト!ここにいるのは分かってんだぞ!
出て来いやぁ!!」
すさまじい怒鳴り声。
足音は二つ。
完璧にがっしりした体型の男たちだ。
俺は──さぁーっと血の気が引いていくのが感じられた。
なっ、何でここにいるのが分かった!?
俺が口を開けたまま固まっていると、
「リッシュ……カルト……?」
ダルクが怪訝そうに呟き、俺を見た。
何秒も何秒も俺を見てから。
「……リア?」
問いかける。
俺は口を間抜けに開けたまま、イスから立ち上がることが出来ずにいた。
ドカドカと、足音が階下を歩き回り、椅子やらテーブルやらを凪ぎ払う音が聞こえる。
足音はそれから二階へ上り、そして──
階段を、上がりきった。
ダルクが腰に下げた剣に手をかけながら、そちらを振り向く。
「何だ、てめぇ」
向こうから低く地鳴りするような声が響く。
この声は間違いなく、さっきまで俺を付け狙ってたゴルドーの手先の一人だ。
「──お前たちこそ何者だ」
キリッとした声でダルクが返した。
それに はっ、と鼻で笑って手先がダルクを押し退けこっちにやって来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます