第6話

ミーシャはそっと、胸に抱いた剣を見た。


そうしてふっと息を深くつき、剣を片手に立ち上がる。


剣を鞘から抜くと、きれいに手入れされた刀身が、暗闇の中でも小さく光を反射した。


ここに入った時は真っ暗闇だと思っていたこの場所にも、微かな光はあるらしい。


ミーシャは髪と首との間にその刀身を持っていって──


ザンッ


音を立てて、剣を振るった。


パサパサ、と音をたて、長く艶めく黒髪が、地面に落ちる。


見ていないので定かではないが、かなりの長さを切っただろう。


頭も軽くなった。


ミーシャは剣を元通り鞘に戻して、階段から一歩踏み出す。


ここで、永遠にこうしている訳にもいかない。


とにかく、前へ進まなければ──。


長く暗い階段道を、ミーシャは進み始めた──…。

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