第14話



大丈夫?



一体、何を言っているのだ、この人は。




「ちゃんと、優しくするから。」



「っっ、」



ねっとりとした男の声に、悪寒が背中を走る。




欲望にぎらついた目が、怖かった。




自分がこの世界の中で、誰よりもとてもちっぽけな存在に思えるから。




「あぁ、そんな固くならないで?」



「…………。」



「何も怖くないよ?」




弱々しく私が出した否定の声は、欲望にぎらついた男にあっさりとかわされる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る