第13話
宿る、期待。
「お願い、この手を離して下さい。」
懇願する。
帰してくれと。
「ん、」
「…………。」
……これ、は、帰れる?
不安と恐怖に怯えながら見上げる私に、男がにっこりと微笑んだ。
「大丈夫だよ?」
「え……?」
微笑んだ男に対して、呆ける。
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