第11話





歩かされる足。




どんどんと遠ざかる、いつもの場所。




「っっ、」




…………どう、しよう。




ばくばくと自分の心臓の音がうるさい。




頭が真っ白で、この場を逃げ出せる良い案が思い浮かぶはずもなく…。




「っっ、あっ、」



焦りだけが、私の中で募っていく。




どう、すれば良い?



怖、い。



「っっ、」



沸き上がる、恐怖心。



分かっていたはずでしょう?



この場所が、安全ではないって事を。

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