第10話



何なの?



「っっ、ちょ、痛いっ!」



「良いから、良いから。」




私の抗議の声を無視して、男はぐいぐいと上機嫌にそのまま歩き出す。



「っっ、あっ、」



そうなれば、必然と腕を掴まれている私も一緒に歩かされる訳で…。




よろけながらも、男の後に着いて行くしかなかった。



「っっ、」



…………ヤバい。



頭の中で警鐘が鳴り響く。




冷や汗が、自分の背中を伝う。




「っ、離してよ!」




咄嗟に男の手を振りほどこうにも、がっちり掴まれてて解けそうにはない。

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