第21話 本当の出逢いの意味

相変わらず

くるみちゃんは

来る日も来る日も

ハチャメチャな事ばかり

するので


社長も

わしは知らん…。

みたいな感じで

愛に全面に

ゆだねている感じだった


くるみちゃんも

合格の電話をもらった時に

社長から

いろいろ教えてもらいなさい

主婦のベテランが来るからって

言われたもん

ってありさまで


何も出来なくてもいいって

言われたと

勘違いしてる


しかし

トラブルメーカーって

本当に凄まじい

今まで勤めてた会社にも

凄まじい相手は居たが

くるみちゃんは

そのまだ上の上を行く


ある意味

簡潔に言うと

本当に『子供』って

言った方が

適切な表現なのはある


ふと愛の中で…

『子ども』って

キーワードが脳裏に

湧き起こってきた


そうか!

これなのか!

くるみちゃんとの

出逢いの

本当の意味って


やっとわかった気がした


よし!!

『子ども』を軸に

チャレンジをしてみよう!


ココロも

大賛成って言ってくれた


まだその頃には

具体的になにをどう

始めて行くって

プランは描かれては

無かったのが


大まかなキーワードが

分かれば

後はチャンスの

時を待つだけ


ついにその瞬間が

やってきた


愛は

とあるガス屋さんの

展示会に出掛けた

そこである商品を勧められ

いつもなら

そんな勧誘には乗らないのに

なぜか?

ある商品を購入してしまった


『ピンポーン』


ガス屋さんが愛の家に

ガスストーブを設置した

それを見た母が驚いて


『なんで?

こんなものを買ったの?』

と激怒してきた


愛はその時やっと

我に返る事ができて

自分でも

なんで?こんなものを

買ったのか?

分からなかった…。


『わからないんよぉ~

  ヒックヒック…』


わんわん愛は急に

泣き出した


母はびっくりして


『返品しようね。』と

やさしく愛を包んでくれた


母にガス屋さんに

電話をしてもらって

返品出来た


―これはありだな―


と愛は思った


くるみちゃんとの本当の

出逢いの意味は

くるみちゃんから

『子ども』とはを

学ぶことだったんだと

愛は気づいた


実は愛と愛の母親の関係は

続柄的には

母親が母なのだが…。

魂と言うべきなのか

精神的な立ち位置と

言うべきなのか


それで行くと

愛と母は逆転しているのだ

いつも愛が母を

娘のように介抱している

側なのだ

いわゆる今時でいうと

『毒母』なのだ


愛は最近いろいろ

自分のあり方について

考えていた

その中にも

母との自分の接し方等

意識の持ち方なども

思案していたのだ


ほんとくるみちゃんと

職場で出会って

過ごしてる日々は

本当に大変で

なんで?

こんな思いを

またしないと

いけないんだろう?と


悩みの渦に

巻き込まれていて

苦悩の日を送っていた


しかし…

これほどインパクトのある

くるみちゃんと

出逢ったのには

もっともっと

深い意味が隠されてるに

違いないと

思ったのはある


それからずっと愛は

その意味を模索

し続けていた


豪快なぐらいに

くるみちゃんが

日々、数々の

『子どもっぷり』を

繰り広げてくれたおかげで


『子ども』って

方法は愛は

まだチャレンジしてない事に

気付かされた


よく親は子供によって

『親』にしてもらえると聞く

まさにこれだと

愛は思った


その手始めに

『子ども』の愛をチャレンジ

してみたのだ

これから

どんどん

母に『こどもっぷり』を

ぶつけて行って


少しでも母が

『母親』という自覚を

持たせていく事で

愛自身も今までよりも

かなり精神が解放

されて行くんじゃあないか?

そう思った


―愛は 光を見つけた気がした―





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る