第20話 カルチャーショック
外では小鳥のさえずりが
聴こえる
昨夜はとっても
ぐっすり眠れたので
目覚めがいい
よーし今日も頑張るぞ!
気合を入れて出勤したら
まだくるみちゃんは
来ていなかった
ちょっと
早く着き過ぎたかも
って思いながら
愛はお掃除をしていた
朝の8時を過ぎても
一向にくるみちゃんが
来る気配がない
8時15分になった頃
『おはよう…ございます…』
って今起きたのか?
みたいなくるみちゃんが
出勤してきた
愛は何か言おうとしたが
まぁ、初日だしなぁ~って
思っていたら
くるみちゃんが
靴下を脱ぎ始めた
それも床に
散らかしてる状態
そしたら今度は
家から持ってきた
お弁当を開けて
もぐもぐ食べ始めた
愛はさすがに
ひとことふたこと
言いたくなった
『もうお仕事始まってるよ』
『お昼ご飯まではまだあるよ』
すると…
くるみちゃんは
サクッと
『はい、知っています。』
『これはお父さんが
作ってくれた朝ごはんです』
愛は唖然とした…
な・なんだ…。
この子は…。
これが今時の若い子っていう
思考なのか?
くるみちゃんは
それがなにか?
ぐらいの感覚で
堂々とお弁当を
食べていた
『お父さんの
お弁当美味しいんですよ』
とまたサラっと
いけしゃあしゃあと
悪びることもなく
発言するくるみちゃんに
ただただ…
カルチャーショックを
受ける愛だった
くるみちゃんは
仕事のときも
驚きの事をする子で
そのひとつに
お客様に
ホットコーヒーを
入れる際の時も
コーヒーってものを
作ったことがない
ペットボトルしか
飲んだことがない
と言い出したり
紙をホッチキスで
止める事を
頼んでも
ホッチキスってものを
使ったことがないと言われ
高校の時に旅行のしおりとか
作ったりしなかった?って
聞くと…
高校の先生が土下座をして
学校を辞めてくれと
頼まれたぐらいだ…とか
わけのわからない自慢話を
してきたり
なんとも減らず口の多い
厄介でとんでもない
同僚との出逢いと
なってしまった…。
愛は神様はこの同僚の
くるみちゃんとの出逢いに
どんな意味を私に
気付けと言ってるんだろう
愛はその日から
くるみちゃんとの
出逢いの意味について
考えることにした
愛はクタクタに
なって家路に着いた
なんか長~い一日だった
おもしろい事に
そんな愛の心情
とは裏腹に
天斗はご機嫌の様子
あぁ~よかった
こんなに
疲労感いっぱいなのに
不機嫌にされたら
もうお手上げだと
思っていたからだ
天斗は珍しく
今日の職場での事を
聞いてきた
―天斗って
愛が楽しくなさそうな
時はなぜか
優しい…。
アマノジャクなのだ―
愛は一部始終、
同僚のくるみちゃんの事等
いろいろ話した
天斗は驚きもあったが
久しぶりに
おもしろい話を聞けたと
思ったのか
一緒に笑い飛ばしてくれた
少しこころの疲れが
やわらいだ気がした
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