第18話 魂の導き
ある日
愛の妹から電話が
あって
来週の木曜日に
病院の付き添いを
して欲しいと
愛は有給を
取ることにした
だけど
天斗にはナイショに
したかった
なぜなら
天斗は愛が有給を
取って休もうとすると
用事もないのに
家に帰ってきたり
せっかくの
休みが台無しに
されてしまうからだ
しかし…
ひょんなことから
愛が有給を
ナイショで
取ったことが
バレてしまった
愛は天斗に
めちゃめちゃ
怒られた
それから数日が
経った時…
事件は起きた
朝、洗濯をしようと
天斗のワイシャツの
ポッケを見たら
プラネタリウムの
チケットの
切れ端が出てきた
実は昨日
天斗はある試験を
受けに行ったのだった
今から1年前に
天斗から
会社で
保険の業務で
ある資格を取りたいんだ…
と申し出があった
それは
素晴らしい事だから
がんばって!!
と愛も全面的に
協力してきた
それが…
どういうことなのか?
いますぐにでも
追求したい
愛だったが
あえて
何も言わずに
会社に送り出した
すると
少し経って
天斗から電話が
かかってきた
『怒ってる?』
ん?
なにに〜?
と愛が答えると
天斗は
『チケット見たんだよね?』
あぁ〜見ました
愛は怒ると
敬語になってしまう…
『今夜帰って
きちんと説明をさせて
欲しいんだ』
分かりました
と言って
受話器を愛は
置いた
―聞きたくもない―
愛はいつも
天斗にムカつくことを
されたときは
天斗が
一番嫌がることを
するって
決めてて
いままでも
天斗がパーマを
かけた愛を
嫌がるので
あえて
かけに行ったり
してもっと
怒らせたり
したこともあったのだが…
今回は
なぜか?
そんな事では
気が収まらない愛と
いうかぁ
この怒りを
自分にプラスに
変えたくて
なにかの
チャンスにしたくて
たまらなく
なってしまった…
天斗が一番嫌がることで
私にとって
プラスになること…
愛は今日一日
ずっと
ずっと
その事を自問自答
していた
そうこうしてるうちに
天斗が帰ってきた
天斗は
なにやら
わけのわからない
サイトをみせて
説明し始めた
愛には全く
興味がなかった
人には、有給使う事も
散々激怒して
今回、資格を目指すと
一年前から応援
させておいて
ただの遊びに行きたい
口実の嘘だった
愛はこれぞまさに…
―怒りを通り越して
呆れる―
とはこのことだわ
と天斗の話を
遠耳でぼんやり
聞いていた
天斗は愛が
怒ってるのを
感じているので
必死に弁論してる
―あぁ〜イライラする―
一晩…
ずっと考えていた
朝起きて
ふと…
ひらめいた!愛だった
よし!これだ!って
その日から
愛はその事に
一生懸命、取り組み
がんばった
そしてついに
念願の
『正社員』に
なったのだ
天斗は
何も知らない…
明日から
新しい会社で
正社員として働く
前夜に
いきなり
天斗に伝えた
『明日から正社員で
働きます』
えっ?
どういうこと?
天斗は怒っている
そんなの聞いてないよ
うん!
今、話したから
初耳でしょ
『僕が正社員で
働くことを嫌いなの
知ってるよね?』
そうなのだ
天斗は愛が
正社員になることを
異常に嫌ってた
だから愛はいつも
派遣、パートで
働くしかなかった
だけど…
今回、天斗が
思わぬ失態を
やらかしてくれたことで
愛に
正社員に向かう
原動力を与えてくれた
―天斗、ありがとう―
心の中で
愛はそう思ってた
天斗は納得が
出来ずに
延々と暴言を
吐いている
―好きなだけわめいて―
―私の意志はかたいから―
わたしを
本気で怒らせるからだわ
ココロ〜
私やっぱ
どんどん上がって
行ってるよね!
ピンチは最大の
チャンスとは
このことだわと
思った
なんか私…
どんどん
今がチャンス!!
って時を見つけられて
乗れるように
成れてる〜
―どんどん持ち物が
増えてきてる―
―自立に向かってる―
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