第12話 北風と太陽

また突然…

愛に大試練がやってきた


トゥルルルル…

姑から電話が鳴った


もしもし…愛です。

あのね…から

姑の話を聞いていると

どうやら…

義理の兄夫婦と

舅が喧嘩したみたいで


縁を切る!!って

義理兄に言われたみたいで

姑が泣いていた


いつも姑は

愛に愚痴を言って

助けを求めてきたり、

さらには一緒に

ランチに行こうとか


愛に嫁以上のものを

最初っから要求してくる

人なのではある


姑は義理兄から

縁を切られたら

自分たちの老後の面倒を

だれが看てくれるのか?

不安でいっぱいに

なったようだ


愛はもともと

婿養子を

もらっているので

それなりには

義理両親の事を

支える程度ぐらいには

思ってはいたが


完全に

義理両親の老後を看る

役目は考えてはいなかった


しかし…

いきなり

実の両親と義理の両親の

老後の面倒を

看なければならない

重苦しい責任が

のしかかって来たのだ


そんな時ふと愛は

よく名言、童話を

思い出して

そこからヒントを得ようとする


ココロが

『愛ちゃん、あの童話はどう?』

って言ってくれたので

あーあれね!って

ひらめいた。

ココロとは

以心伝心の仲だから


愛は『北風と太陽』の

童話を振り返り始めた

この童話は

愛がけっこう好きな

童話でもある


愛は『太陽のような人』

に成ろうと思った

次なる課題を

思いついたのだ


試練というものは

自分で避けようと

思っても

逃れきれるものではない


ならこの際

もう甘んじてどんな試練も

受けようじゃあないか!

と愛は思った


『北風と太陽』の

童話の内容のように

『太陽』の底力を

この手に入れよう!


『太陽』のような

どんな人にも事柄にも

流される事なく

で~んと照らせる人で

居よう


『太陽』のように

明るく自分も周りの人にも

温かい存在でありたい


いつしか愛は

孤高の人のように

一人だけで

自分の信念に向かって

生きる女性に

なって行っている


天斗は

相変わらず

自分が大事で

自分だけの時間を

楽しんでいる


夫婦なので

人数は二人だけど

ふたりいっしょに

試練を

乗り越えてるわけでも

ないなぁ~って

思った愛であった






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